SSD キャッシュ

SSD キャッシュは、頻繁にアクセスされる小さなファイル (ランダムに配置される小さなデータブロック) を、ボリュームまたは LUN にマウントされた SSD キャッシュの SSD に格納することにより、ランダムアクセスのパフォーマンスを向上させます。

SSD キャッシュを有効にする目的は、ストレージ スペースで頻繁にアクセスする小さいデータ部分へのランダムアクセスの性能を高めることです。たとえば、大きいシーケンシャル読み書き操作(HD ビデオ ストリーミングなど)と、データのランダム読み取りパターン全体の両方には再読み取りパターンがないため、SSD キャッシングの利点をあまり受けません。一般的なアプリケーションでは、[シーケンシャル I/O を省略する] オプションを有効にして、シーケンシャル I/O がストレージ スペースのドライブにパススルーするようにします。

注:

SSD キャッシュ タイプ

SSD キャッシュには2つのタイプがあり、どちらも LRU (Least Recently Used) アルゴリズムを導入してキャッシュのデータを入れ替えます。

注:

メモリ要件

SSD キャッシ ュは一定の量のシステム メモリを必要とします。割り当てるキャッシュ容量が大きいほど、システム メモリが多く必要になります。ただし、DiskStationの安定性を維持するために、SSD キャッシュにはプリインストール済みのシステム メモリの 4 分の 1 しか使用できません。大容量の SSD キャッシュを作成する場合は、DiskStation のメモリをアップグレードする必要があります。

注:

1 GB の SSD キャッシュ毎に、約 416 KB のシステム メモリが必要です(拡張可能なメモリも数えられます)。したがって、読み取り専用キャッシュが RAID 0 を使用し、その構成が 2 x 128 GB SSD である場合、合計のキャッシュサイズが 256 GB になり、最低でも 104 MB のメモリが必要になります。読み取り/書き込みキャッシュが RAID 1 を使用し、その構成が 2 x 128 GB SSD である場合、合計のキャッシュサイズが 128 GB になり、最低でも 52 MB のメモリが必要になります。メモリが不足している場合、SSD キャッシュの構築が制限されるか、SSD キャッシュのサイズが制限されます。

注:

キャッシュのヒット率

SSD キャッシュはデフォルトではランダム I/O だけを高速化し、シーケンシャル I/O は高速化しません。SSD キャッシュのキャッシュ ヒット率は次の式で計算できます。

SSD キャッシュの管理

SSD キャッシュを作成してマウントする:

  1. DiskStation に SSD をインストールします。上記の注意をお読みください。
  2. [ストレージ マネージャ] > [SSD キャッシュ] を選択します。[作成]をクリックします。
  3. キャッシュ モードを選択します(読み書きキャッシュに対応する DiskStation モデルでのみ使用できます)。
  4. ドロップダウン メニューから SSD キャッシュをマウントする先のボリュームまたは LUN を選択してください。
  5. リストから SSD を選択します。SSD 上のデータはすべて消去されます。SSD に重要なデータが保存されていないことを確認してください。
  6. [適用] をクリックします。

シーケンシャル I/O のキャッシングを停止する:

ターゲット ボリュームまたは LUN のシーケンシャル I/O の性能が良い場合は、SSD キャッシュがシーケンシャル I/O をキャッシングするのを停止させて、ドライブから直接データにアクセスさせると、速度を上げ、性能を高めることができます。

  1. [構成] をクリックして構成ウィンドウを開きます。
  2. [シーケンシャル I/O は省略する] にチェックマークを付けます。

SSD キャッシュを取り外す:

  1. [削除] をクリックすると、この SSD キャッシュを DiskStation から完全に削除できます。

注:

SSD キャッシュの削除をキャンセルする:

  1. 削除のプロセスをキャンセルするには、[削除をキャンセル] をクリックします。

SSD キャッシュを修復する:

SSD キャッシュ アドバイザー

この機能は、特定のボリューム上で最近アクセスしたファイルのサイズと数を計算し、表示します。選択したボリュームで SSD キャッシュが作成されていない場合は、この情報はご使用のシステムにどの程度の SSD キャッシュ容量が適しているかを評価するときの参考情報となります。選択したボリュームにすでに SSD キャッシュが作成されている場合は、キャッシュ分析と使用量も表示されます。

SSD キャッシュ アドバイザーを実行:

  1. [SSD キャッシュ アドバイザー] をクリックしてウィザードを起動します。
  2. 計算するボリュームを選択し、[次へ] をクリックします。
  3. ウィザードが特定のボリューム上にある最近アクセスしたファイルのサイズと数の合計を計算し始めます。計算回数は、それぞれの環境によって異なります。