性能を持続させ、故障によるサーバーのダウン時間を最小限に抑えるために、サービスを high-availability クラスタのアクティブ サーバーから待機中のサーバーである受動サーバーに切り替えることができます。この機能は「切替」、または場合によっては「フェイルオーバー」とも呼ばれます。ここでは、これらの 2 つのコンセプトの基本を説明します。
「切替え」とは、high-availability クラスタのアクティブ サーバーを待機中のサーバーである、受動サーバーに切り替えることです。正常に作動しているときには、アクティブ サーバーがすべてのサービスを管理します。しかし、アクティブ サーバーが故障した場合、受動サーバーが正常に作動しているものと想定し、すべてのサービスを受動サーバーに切り替えることができます。この場合、アクティブ サーバーは受動サーバーの役割を果たし、受動サーバーはアクティブ サーバーの役割を果たします。
手動で切り替えを行う前に、切り替え後の IP シフトにより DSM ページが消失してしまわないように、固定 IP を設定して、この固定 IP で DSM にログインすることをお薦めします。
切替え中は、まずアクティブ サーバーが受動サーバーとなり、次に受動サーバーがアクティブ サーバーになります。つまり短い間ですが両方のサーバーが受動サーバーになる時間が発生し、この時間はサービスを正常に提供することができません。切替に要する時間は、ボリュームや iSCSI LUN(ブロック レベル)の数とサイズ、high-availability クラスタでのサービスとパッケージの数と読み込み量により異なります。
エラーが発生すると、サービスの停止時間を最小限に留めるために、自動的にサービスを切替えます。このようなイベントを「フェイルオーバー」と呼びます。次のような場合には、受動サーバーが正常に機能していると仮定して、システムがフェイルオーバーを開始する場合があります。
次のような状況では、切替やフェイルオーバーが実行されない場合があります。
手動で切替えを行ってもサービスが受動サーバーに切替わらない場合は、システムがサービスをアクティブ サーバーに戻そうとします。
予期しない停電に備えて、high-availability クラスタを UPS に接続することができます。停電になった場合、サーバーは接続されている UPS から電源供給を受けます。アクティブ サーバーに接続されている UPS ユニットの電源が少なくなると、受動サーバーはシャットダウンし、アクティブ サーバーがセーフモードに入ります。電源が復旧したら、アクティブ サーバーがリブートして Wake-on-LAN メッセージを発信し、別のサーバーの電源も入れようとします。
DiskStation はネットワーク UPS デバイスにのみ接続できます。詳しくは、[コントロール パネル] > [ハードウェア] > [UPS] のヘルプをご覧ください。